昨年は保険金不払い問題で何度も失態をさらした保険業界ですが、「第三分野の保険金不払いの内容ってどんなこと」と前回のこのコーナーを読んで質問をいくつか受けました。損害保険各社が平成18年10月31日に発表した第三分野の不払いは14社、約5000件に上りますが、その要因は大体2つに分かれます。
1つ目は、保険契約時に契約者が行う、健康告知による違反があった場合の不払いです。ガンや内臓疾患、糖尿病などの既往症があるにも係わらずこれを告知せずに保険契約をした後、その病気とは別の病気により保険金を請求した場合、生命保険各社は従来から告知義務違反であっても、因果関係のない病気については保険金支払をしてきました。ところが損害保険各社の大半は告知義務違反に問われる病気と関係のない病気の発病でも、保険金を払わず告知義務違反を理由に保険契約そのものを解除していました。これが問題となり結局、同じ第三分野の保険なのに対応が異なってはいけないということで、損害保険各社は生命保険各社の基準に合わせることになりました。
2つ目は保険始期前に発病していた保険金請求の処理の不備による不払いです。1つ目と違い、健康告知時に本人も自覚がない病気にかかっており契約成立(保険責任開始後)にその病気が発覚し保険金請求となった場合、保険会社は医師から保険始期前の発病であるという証明書の交付を受け、この保険契約を解除します。しかし、今回、不払いとなった契約は、証明書の交付を受けないまま、医師との面談により始期前発症の可能性が高いという口頭による意見のみで、契約解除を行っていたのです。
2つ目の不払いは論外ですが、1つ目の問題は、契約者が自分の健康状態を正確に伝えなかったということで、一見、損害保険業界の取った行動は正当な行動と思う方も少なくないと思います。しかし、これらのケースで契約者が健康告知を正確に行っていた場合、既往症の病気は保障されませんが、それ以外の病気は引受けの対象になり問題なく保険金が払われます。これらを考慮するとやはり生面保険業界が取ってきた対応が正しいと言えます。裁判事例があるかは定かではありませんが、裁判で争ってもやはり保険金支払の判決が出るのでないでしょうか。その意味でも、これまで損害保険業界が取ってきた行動は理解できません。


































