121 火災保険の保険料過払い問題2

更新日:2007/04/01

 (前回の続き)通常の木造モルタル構造等(C級構造)と省令耐火構造では保険料に大きな差があります。東京都世田谷区で建物建築価格2000万円の価格協定特約100%付きの住宅総合保険、保険期間1年の場合、通常木造構造(C級構造)30,600円に対し、省令準耐火構造は17,600円。一昔前は同じ保険料であったにもかかわらず驚く程の差があります。同じ木造建物でも省令準耐火構造だと、鉄骨系の耐火建物(B級構造)と同じ保険料になります。


 この歴史は、昭和57年に住宅金融公庫法の改正にともない、省令簡易耐火構造の基準が定められ、公庫の融資対象でその基準を満たしている物件の融資期間の優遇と火災保険料の割引をしたのが始まりでした。平成5年に建築基準法の改正を受け名称を省令準耐火構造に変更、平成11年に保険自由化により損害保険5社が省令耐火構造の公庫融資物件以外の建物にも割引適用を開始、平成17年に日本木造住宅産業協会が在来木造住宅の省令準耐火の仕様を開発し住宅金融公庫が認定し現在に至っています。

 木造住宅でツーバイフォー工法、木質系プレハブ建物、木造軸組工法の場合、この割引が適用できる可能性があります。細かい規定を挙げても素人にはわからないし、既に建築済みの建物を基準適合か判断することは難しいということで詳しい規定は省きます。割引を適用する方法は、①住宅購入時のパンフレットや設計仕様書・住宅性能表示書(平成12年10月制度開始)などに省令準耐火や省令耐火と記載がある場合、または省令耐火・準耐火の記載がなくても、②住宅名称(へーベルハウス○○型、スウェーデンハウス××型等)が損害保険料率算出機構の発行している省令耐火型住宅・省令耐火とされるものであれば、その名称がある部分のコピーを提出。③既に住宅金融公庫で火災保険を契約している場合は契約書のコピーを提出します。これらの書類がない場合は、④住宅メーカーや施工業者から省令準耐火・省令耐火構造である旨の証明書を発行してもらうことで割引を受けることができます。

 これらの火災保険料過払いの原因としては、建築後に外観から割引適用建物と不適用建物が判別できない、割引適用の条件が申告のみではなく証明書類が必要という背景もありますが、保険会社の広報不足という問題も見逃せません。このため、契約者が火災保険を契約する際に建物構造を聞かれた際に木造モルタル等、割引不適用構造と申告し済んでしまっているケースも少なくありません。

 今一度、木造住宅に住んでいる方は調べて見るといいでしょう。近年建築された木造住宅は割引が適用される可能性が高いのです。ちなみに、この耐火割引は賃貸住宅で家財に保険をかける場合も適用されますので、大家さんや不動産屋さんに確認してみてください。