18 バルタスロールGC

更新日:2007/11/10

バルタスロールGC
 ニューヨークからリンカーン・トンネルでハドソン河をくぐってニュージャージー州に入り、約40分程ドライブするとスプリングフィールドの街につく。バルタスロールGCの36ホールはここにある。アパーとロワーの二つのコースはともに有名であるが、特にロワーは名コースとしてその名を世界に轟かせている。何回も全米オープンの会場となったが、日本人には1980年の大会が印象に残っている。日本人ゴルファーの青木がジャック・ニクラウスとの激闘を演じ、2位となったからである。


 コースはアメリカのゴルフコース設計史上最高のアーキテクトと評価され、天才設計かと讃えられるA.W.ティリングハストの手になるものである。ティリングハストはフィラデルフィアの裕福な家庭の出身で31歳で最初の作品シャウニーGCの設計までは、無職であった。何回も船でスコットランドのセント・アンドリュースへ出かけ、オールド・トム・モリスに会い、直々にゴルフ の手ほどきを受けたと言われる。コース設計は持って生まれた天性に加え、スコットランドでプレーを経験したリンクスでの知識が基本となった。彼の作品はいずれも精緻に出来上がっており、全てが名作と言われるが、中でもこのバルタスロールのロワーや、やはりニューヨークに近いママロネックにあるウインギッド・フットのウエスト・コースが、全米オープンの会場に使われて おり、特に有名である。

 バルタスロールでは1994年の全米オープンに向けてリース・ジョーンズによる改造がなされて現在の姿となっているが、改造にあたってリースはティリングハッスト設計の原型を崩さないよう細心の注意を払って仕事にあたったと述べている。名設計家の作品は歴史的な芸術品であり、改造はボールの飛距離との関係で不可避であっても、必要最小限とする卓越した思想が現れている。