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無線機の防水・防塵・防爆規格について
目次
建設現場や物流倉庫、化学プラントなど、無線機(トランシーバー)は過酷な環境で使用されることが多々あります。
故障や事故を防ぐためには、その現場に適した「防水」「防塵」、そして「防爆」の性能を持つ機種を選ぶことが不可欠です。
スペック表に書かれている「IPX7」や「Ex ib ⅡC T4」といった記号が何を意味するのか。
本記事では、無線機選びの基準となる各規格の詳細を一覧で解説します。
防水規格一覧
防水性能は「IPX〇(またはJIS〇)」という記号で表されます。
数字が大きくなるほど防水機能が強くなります。一般的な雨天利用であれば「IPX4」以上、水没のリスクがある場合は「IPX7」以上が推奨されます。
| 等級 | 保護の程度 | 内容 |
|---|---|---|
| IPX8 (JIS8) |
水中形 | 継続的に水没しても内部に浸水しない |
| IPX7 (JIS7) |
防浸形 | 一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない |
| IPX6 (JIS6) |
耐水形 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない |
| IPX5 (JIS5) |
防噴流形 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない |
| IPX4 (JIS4) |
防沫形 | あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない(日常生活防水レベル) |
| IPX3 (JIS3) |
防雨形 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない |
| IPX2 (JIS2) |
防滴II形 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない |
| IPX1 (JIS1) |
防滴I形 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない |
水回りで使用する無線機をお探しの場合は、以下の一覧もご覧ください。
水に強い製品一覧
防塵規格一覧
防塵(ぼうじん)性能は、粉塵や固形物が機器内部に入り込むのを防ぐ能力です。「IP〇X」の数字部分で表され、数字が大きいほど微細な粉塵をシャットアウトします。
工事現場やグラウンドなど、砂埃が舞う環境では「IP5X」以上の性能が安心です。
| 等級 | 保護の程度 | 内容 |
|---|---|---|
| IP6X (JIS6) |
耐塵形 | 粉塵が中に入らない(完全な防塵構造) |
| IP5X (JIS5) |
防塵形 | 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない |
| IP4X (JIS4) |
直径1mm以上 | 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない |
| IP3X (JIS3) |
直径2.5mm以上 | 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない |
| IP2X (JIS2) |
直径12.5mm以上 | 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定) |
| IP1X (JIS1) |
直径50mm以上 | 直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定) |
粉塵の多い現場に適した機種は、以下よりお探しいただけます。
ほこりに強い製品一覧
防爆規格一覧
化学工場やガソリンスタンド、タンカーなど、可燃性ガスや引火性の高い液体を扱う「危険箇所」では、通常の無線機を使用することはできません。無線機の電気火花や熱が点火源となり、爆発事故を引き起こす恐れがあるためです。
こうした場所では、爆発を防ぐ構造を持った「防爆無線機」を使用する必要があります。
防爆記号(Ex ib ⅡC T4など)の見方
防爆無線機の性能は、アルファベットと数字の組み合わせで表されます。
例として「Ex ib ⅡC T4」という表記を分解して解説します。
- Ex:防爆構造であることを示す記号。
- ib:本質安全防爆構造(第1類・第2類危険箇所で使用可能)。
- Ⅱ:爆発性雰囲気のある場所の分類(「Ⅰ」は鉱山、「Ⅱ」はそれ以外の工場など)。
- C:対応するガスの分類(A<B<Cの順に危険度が高いガスに対応)。
- T4:温度等級(機器表面の最高温度)。
対応ガスと温度等級の対応表
使用する現場にどのようなガスが存在するかによって、選ぶべき等級が異なります。
| ガス分類\温度等級 | T1(450℃) | T2(300℃) | T3(200℃) | T4(135℃) |
|---|---|---|---|---|
| ⅡA (プロパン等) |
アセトン アンモニア 一酸化炭素等 |
プロパン メタノール 酢酸等 |
ヘキサン ガソリン等 |
アセトアルデヒド等 |
| ⅡB (エチレン等) |
― | エチレン エチレンオキシド等 |
硫化水素等 | ジエチルエーテル等 |
| ⅡC (水素等) |
水素 | アセチレン | ― | 二硫化炭素(※T5) |
※表中の温度は、機器の最高表面温度の許容値を示します。T4(135℃)対応の機器であれば、発火点が低いガス(135℃超)がある場所でも使用可能です。
代表的な防爆無線機の規格例
実際に販売されている防爆無線機が、どのような規格に対応しているかの事例です。
① XiR P8608Ex / NX-230EX / NX-330EX など
- 規格:Ex ib ⅡC T4
- 意味:工場などの危険箇所(Ⅱ)において、水素やアセチレンを含む最も危険度の高いガスグループ(C)に対応し、かつ発火点が135℃以上のガス環境(T4)で使用できる、非常に安全性の高いモデルです。
② NX-230EX / NX-330EX(粉塵対応)
- 規格:Ex ib ⅢC T110℃ Db
- 意味:ガスだけでなく、導電性の粉塵などが存在する場所(ⅢC)でも、表面温度が110℃を超えない安全設計であることを示しています。
防爆無線機の導入をご検討の際は、必ず所轄の消防署や安全管理者の指示に従って選定してください。
詳細な製品ラインナップは以下でご確認いただけます。
本質安全防爆、UL防爆、
CSA防爆、FM防爆の製品一覧
まとめ
無線機を安全に長く使うためには、使用環境に合わせた規格選びが重要です。
- 水濡れがある現場なら「IPX5~7」
- 砂埃が舞う現場なら「IP5X~6X」
- 可燃性ガスがある現場なら「防爆仕様(Ex~)」
特に防爆無線機の選定ミスは、重大な事故につながる可能性があります。
「現場のガスに対応しているか分からない」といった場合は、専門知識を持つエクセリのスタッフまでお気軽にご相談ください。
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