警備の現場においては、「一人だけ」で仕事をすることはそれほど多くありません。
「入り口に警備員を一人のみ配置」というパターンもありますが、この場合でも、警備室にはその他のスタッフが待機しています。
またイベントやコンサートホールなどで警備を担当する場合には、広範囲に多くの警備員が散らばって、「会場全体」に目を配る必要があります。
もしもこのとき、スタッフそれぞれが連絡手段を持たず、好き勝手に行動すれば、全体の警備環境は非常に杜撰なものになってしまうでしょう。
こうした事態を避けるために必要なのが、「こまめな情報のやりとりを可能にする、通信手段」です。 イベント会場の一か所で何らかのトラブルが起きたときでも、無線機を持っていれば、人員に余裕のある場所へ応援を要請できます。
また情報を共有することで、ゲストの誘導がよりスムーズになります。
このような側面から、警備業において無線機は必須アイテムの一つだと言えるのです。

私たちの生活に身近な通信機器といえば、携帯電話やスマートフォンが挙げられます。
所持していない人の割合はかなり少ないので、「わざわざ無線機を用意しなくても、携帯やスマホで充分に対応できるのでは？」と思う人もいるのかもしれません。
しかし携帯やスマホでは、いちいち相手の連絡先を表示し、相手を呼び出し、用件を伝えなくてはならないという、手間が発生してしまいます。
もちろん通話料もかかりますし、電池切れの可能性もあります。
また携帯やスマホは、基本的に「1対1」でのコミュニケーションを想定して作られた機器です。
一つの情報を全員に回したいときには、非常に大きな手間が発生してしまうでしょう。
その点無線機であれば、ボタンを一つ押すだけで、相手のもとに情報を届けられます。
また一斉通信も可能なので、自分が得た情報を瞬時にスタッフ全体で共有することも可能となります。
近年では、堅牢性や防水性に優れた製品も多数登場しており、「雨天の屋外」など、過酷な環境下においても使いやすくなってきています。
またIP無線機を使えば、遠く離れた本部との連絡手段としても活用できます。

警備の仕事は、大きく4つの種類に分類できます。
それぞれの警備内容とともに、無線機の活用シーンについて具体的に紹介していきます。
ぜひイメージを膨らませてみてください。
もちろん通話料もかかりますし、電池切れの可能性もあります。

1号警備

1号警備は、一般の人が「ガードマン」という言葉でイメージする警備業務を担当しています。
ビルやテーマパークなど、担当する場所の安全を確保することが、業務内容です。
テーマパークの入り口のガードマンが不審者を発見したとき、状況によってはその場ですぐに取り押さえられない可能性もあります。
また「入り口のガード」という重要な役割を担っているので、すぐにその人物を追いかけるのも難しいでしょう。
このような場合でも無線機を使えば、ほかの警備スタッフと連携をとることが可能となります。
チーム全体で対応ができるので、トラブルを未然に防げる可能性も高くなります。

2号警備

こちらは、車の流れや人の流れを適切に誘導する警備業務を指しています。
例えばコンサートホールの警備スタッフや、工事現場における誘導係などが、こちらに当てはまります。
工事現場においては、ほかのスタッフと旗や手を使ってコミュニケーションをとるケースも少なくありませんが、無線機を使うことで、意思の疎通が容易に行えるようになるでしょう。
周辺環境によっては、お互いの姿が見えづらいこともありますが、無線機があれば心配は要りません。

3号警備

現金や貴金属など、貴重品輸送車を警備するのが3号警備です。
移動の際には、盗難リスクが付き物だからこそ、専用の警備員を配置して、荷物を守る必要があります。
「移動中の車の警備」「車から出し入れする際の警備」など、絶えず周辺に目を光らせる必要がある業務ですので、もちろんチームで警備に当たります。
それぞれが別の場所をチェックしていても、無線機があれば、常にお互いの情報を共有できます。

4号警備

4号警備は、いわゆる要人警護と呼ばれる仕事です。
要人の近くで、危険がないよう、しっかりとガードする仕事となります。
こちらもチームで警備にあたる業務であり、情報共有が必須となります。
また「ボディガードであることを気付かれてはいけない」という状況においては、無線機の取扱いにも注意が必要となります。
小型で目立たない製品を選ぶことで、警備をスムーズに進めていけます。

警備業におすすめの機種は、デジタル簡易無線免許局や特定小電力トランシーバーです。
デジタル簡易無線免許局の無線機は、電波の飛びが良く、混信にも強いという特徴があります。
出力は5ワットで、市街地であれば1キロ程度の範囲内で情報のやり取りが可能となっています。
堅牢性が高く、相手の声がクリアに届きやすい点も、警備業にはぴったりのポイントだと言えるでしょう。
1号、2号の警備業務であれば、近場にて情報をやり取りできる特定小電力トランシーバーがおすすめです。こちらは免許不要で手軽に扱えます。
市街地においては300メートル程度の範囲内で情報のやり取りができます。
警備業におすすめの機種を選んだら、気になるのは、「購入」と「レンタル」のどちらのほうが得なのか？という点ではないでしょうか。
道路工事やコンサートイベントなど、使用する期間が限定的であれば、レンタルのほうが得と言えますが、一方で、テーマパークやビルの警備など、継続使用が前提であれば、購入したほうが良いでしょう。
ただし無線機の世界も、どんどん新機種が投入され、進歩していることは間違いありません。
レンタルであれば、新機種が発売されたあとの乗換えも容易にできますから、そういった事情も加味した上で、検討してみてください。

警備の仕事は、その場所を訪れる人、警備される人にとって、非常に重要な意味を持つ仕事となっています。一人きりで行う仕事ではなく、チーム全体で協力し、一つの目的を達成する業務ですから、手軽に情報のやり取りができる無線機は、必須アイテムの一つと言えます。
警備業務にもさまざまな種類があり、大切なのは、状況に合わせて適切な性能を持った無線機を選ぶということです。
通信距離はもちろんのこと、輸送車や要人の警護業務の場合は、「どの程度混信に強いのか」という点も、非常に重要なポイントとなります。
どの機種を選べば良いのか悩んだときには、信頼できるお店のスタッフに相談してみると良いでしょう。
用途に合った製品を選びやすくなるはずです。
当社では、無料のお試しも承っておりますので、実際に使ってみて、通信距離や使い勝手を確認した上で最適な無線機を導入することがおすすめです。